最初のコースのローンで月々4万円

2011.04.12

施術室の中ではお化粧もしていなかったし、長い髪も後ろで一つにまとめていたから気づかなかったが、正面から見ると目鼻立ちがはっきりしていて、彼女は可愛らしい顔をしていた。「支払いは、どうしているんですか?」答えづらいことを聞いているのは、百も承知だった。しかし事務をしているだけなら、コースを追加すれば支払いがきついのではないかと思う。それにそういうことを知りたいのは、私だけでなく彼女も一緒らしかった。「まずねえ、最初のコースのローンで月々4万円を支払っていたのね。それからそのコース中に追加したローンが月々4万5000円。それで今回のコースのローンが月々5万円かな」彼女はスプーンを持ったまま、すらすらと言った。私は目をしばたたかせながら、頭の中で合計金額を出した。彼女の月々の支払いは「8万5000円」だった。「ほらっ、いろいろと勧めてくるでしょう。それで追加していたらこんなになっちゃったわけよね。でも自分も細くなりたかったから、仕方がなかったのよね」私はざくざくと音を立てて、ドリンクを崩している彼女の手を見つめながら、口を尖らせて頷いていた。「最初からもっといろんなコースがあることを教えてくれれば、こんなに追加しなくても済んだと思うよ。でも向こうも商売だからさ、仕方ないよね。結局、自分の力じゃあ、サイズを落とせないんだから」彼女はコーヒーカップをカルテの横に置くと、ストレートの長い髪をかき上げた。私はふんふんと頷いていたが、胸にぐさりと何かが突き刺さっていた。最初から教えてくれればよかったのに、痩せたいから仕方がなかった、自分の力じゃサイズを落とせない……私も同じだった。何だかしんみりしてくる。しかしどう見ても彼女は細かった。身長が168センチもあるのに、体重は45キロ。施術室では彼女の裸を見たが、バランスが取れたスタイルをしていた。だから彼女が目指している体形は、これ以上なのだろう。「ここって、効果ありますか?」「うん。効果は確かにあるけどねえ、痩せた部分が戻りやすいから、みんな続けて通って来ているんじゃないのかな」今度はそんな恐ろしいことを聞かされて、私はもっと気分が沈んでいった。それから彼女はホームケア商品の健康食品は確かに体にはいいが、それを毎月購入し続けるのが大変でお金が続かないと言っていた。しかし本当は飲み続けないと、せっかく痩せた体がもとに戻るのではないかと心配して、購入し続けているらしかった。そして実際にエステサロンに通ってから体重やサイズは落ちていったが、仕事が忙しくてサロンに通えない日が続いたら、もとに戻ったという話を聞かされた。だから自分の理想のプロポーションを維持するためには、来られる日はなるべく続けて来ることが大事だと力強く言われた。―やっぱり。電車を待ちながら、私は心の中で「やっぱり」を繰り返していた。もうローンを2回も組んでしまったし、ハンドマッサージの約束までしてしまっている。最初から他のコースも教えてくれていれば、追加しなくても済んだかもしれないという思いが大きくなっていく。やっぱりエステは怖いところなのだ。これからどうなるのだろう。今さらやめるわけにもいかない。
[参考]
エステサロンPMK京都店

PMKエステサロン池袋店

神戸のエステティックサロンPMK