建て替え計画というのは決議して実際に建て替えが完了するまでには3年も4年もかかる。その間に経済が大きく変動して、マンションの相場が下がり、予定の値段で売れなかったりしたら、エラいことになる。まさかとは思うが、昨今の状況である。ディベロッパーやゼネコンが倒産しないという保証はどこにもない。関係者1同、胃が痛くなっても不思議はないだろう。こんなふうに、ほとほとくたびれ果てた建て替えだったが、難関に次ぐ難関をクリアしてゴールにこぎつけただけに、完成したときの満足感は大きかった。まるで自分のマンションを自分でつくったような充実した気持ちになったものだ。弁護士の仕事というのは、どちらかというと後始末ばかりで、1から物事をつくりあげていくというクリエイティブな部分は少ないので、ふだん味わえないような楽しさがあった。住民たちも大変だったけれど、おかげで自慢できる住まいになったのではなかろうか。