周知のごとく、今日、建築設備機器に予算をかける傾向がある。ふた昔前頃から始まった太陽熱温水器、ひと昔前から流行した床暖房、最近ではジャグジーバス、今後は普及が予想される家庭用のエレベータなどがある。ところが、これらは動作の安定性、耐久性、使い勝手など、新製品であるがゆえの問題がある。とくに家庭用エレベーターは速度が遅い。いずれにせよ、その製品がすぐには建築主に必要ではなく、製品が安定してから導入したほうがよいと考えられる場合、建築主の立場で考える建築士ならば機器の導入は行わない。
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もちろん将来、技術的にも熟れ、価格も普及価格まで下がってから購入を予定しているから、設計では十分に考慮される。たとえば、家庭用のエレベータを将来設置するならば、廊下の突き当たりや玄関や階段のホールの壁の部分に筋交いを入れない壁を設けたり、ジヤグジーバスなら、機械やパイプの設置スペースや電気設備を用意しておく。ところが設計一括依頼の場合、建築士は工務店の売上げを上げるため、これらの機器の導入をせざるを得ない。とくに機器メーカーがシェア拡大のため、工務店を代理店や特約店に指定し、販売に力を入れ、工務店にも相当の利益が入る仕組みになっているときはなおさらである。