株高、土地高を背景にした一九八〇年代後半のバブル経済が崩壊して以来、逆資産効果によって日本はこれまでの莫大な経済的蓄積をはき出してしまい、国家レベルで見ても借金を増やしながら家計をやりくりしているという状況だ。日経平均が四万円を目前にピークアウトしてからすでに十二年ほどが経過し、長期的なトレントでは底入れしつつある局面の中に現在の我々は位置すると考えられるが、雇用情勢を眺めると逆に厳しさは年々増すばかりである。こうした時代では当然のことながら発想の転換が必要である。すなわち、一流企業への就職は決して安全パイではないこと、高学歴だけを頼みに安定した社会生活は保障されなくなったこと、実力や実績に応じた報酬体系がますます強化されることなどをわきまえて「自分戦略」を立てねばならないのだ。「これだけ頑張って一流大学に進学し、一流企業にも就職したのだから、さほど努力しなくても人並み以上の生活はできる」という考えはもはや幻想と化してしまったのである。
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