第一、若い身空で一生を添い遂げる相手をそう冷静に選べるはずがないじゃないか。そういう冷静さは、通販のカタログですき間家具か何かを選ぶときにはいいかもしれないが、異性を選ぶにはふさわしくない。気がついたら結婚していた。気がついたら妊娠しちゃった。カタログなんてあることさえ忘れていた。結婚相手を選ぶって、子供ができるって、そういうものではないだろうか。「そんなこと言うけど、夫を選ぶのに失敗したら大変じゃないの。自分の一生がかかっているのよ」と、非難されるかもしれない。確かに、夫選びはむずかしい。間違えても返品はきかないし、通販の商品選びより格段に厳しい選択を迫られているのも事実だ。けれども、人間の選択に間違いが全然ないなんてこと、あり得ないのだ。どんなに気をつけて選んだところで、完璧な選択などない。どこかに悔いが残ったり、これでよかったのだろうかという迷いが生じたりするものだ。何はともあれ、結婚はしてみなければわからないものだろう。だったら、自分の本能を信じて決断するしかない。乱暴だと言われるかもしれないが、私は適齢期とか、お見合い写真や釣書の文句、子供を産むのにふさわしい年齢なんていっさい無視して、自分が欲しいと思ったらそれにマルをつけ、自分の手でむんずとつかみ取ってしまえばいいと思う。人間、本当に欲しいものが目の前にあらわれたら、考えるよりも先に手が出るものだ。自分の体の中から「欲しい」という気持ちがわき出ていたら、ほかのことはもうどうでもいいじゃないか。もし、適齢期というものがあるとしたら、欲しいものをつかみ取る情熱が自分の体にあふれたとき、そのときが結婚に適した瞬間となる。自分にその瞬間が訪れたと感じたら、迷うことなく両手を差し出し、愛しい相手をむんずとつかみ取っていただきたい。
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