完全に自分のものにする

2011.05.06

月と星のぽっくりと丸いゴールドピアス、三連のパールのネックレスには花を彫刻したピンク珊瑚の留め金がついている。深い青の石ラピスラズリのハート形のチャーム、翡翠の玉のついた太いゴールドチェーンのブレスレット……。どれもこれも新鮮で魅力的だ。しかし私はなかなか店に入って、それらを手に取り、つけてみることはできなかった。強く憧れてはいたが、初めて知るジュエリーの世界にどこから入っていけばよいのか、きっかけがつかめなかった。イタリア人と同じものを買っても、それはきっと似合わないと本能的に知っていたのだと思う。一年経ったある日、私はついに意を決してその店に入った。そしてごくプレーンな丸い輪のピアスを買った。それはとても基本的な形で誰にでも似合いそうなデザインだった。私のためだけのものという感じではない。けれど、まずこれを毎日つけ続けてみようと思ったのである。そうすることでそのピアスを完全に自分のものにすることができた時、次にはもっと自分らしいジュエリーが見つかるような気がした。最初のピアスを、私は結局二年間ほぼ毎日つけ続けた。