日本の失業率が顕著に低かった

2012.01.29

日本の失業率が顕著に低かったということは、日本の雇用・失業が他の先進国とは構造的に異なる特質を持っていたことを物語っている。そして、日本の失業率が上昇しつつあることは、その構造がこわれつつあることを示唆している。不思議に思えるのは、今日、なぜ日本の失業率がこれまで顕著に低かったのかを分析し、その分析をふまえて現在の雇用・失業問題を論じる論者が1人もいないことである。しかし、今から四〇年ほど前の一九五〇年代には、敗戦後の経済的混乱や不況にもかかわらずなぜ日本の失業率が低いのかをめぐって真摯な議論がなされていた。

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今日から見てもきわめ高い水準にある当時の議論は、残念ながら、その大半が忘れられてしまった。日本が経済大国になり、それとともに日本資本主義の特質、とりわけその問題点を分析しようとする問題意識が薄れていったことが、その最大の原因であろう。