ポリシーとは、もともと一国の政治上の政策や方針を意味するものであったが、自動車のように大型の耐久消費財でありながら、大量生産と大量販売を前提とする商品の開発のような大型プロジェクトは、政策なみの規模を持つところからデザイン・ポリシーの名が生まれたものである。一国の政府がポリシーを誤れば、国民生活を危機に陥れるだけでなく、ときには国家そのものの存在を危うくする。それと同様に自動車会社がニューモデルのデザイン・ポリシーを誤れば、売れ行きが激減するばかりか会社そのものを危うくすることになり、国家といい自動車会社といい、興亡の歴史がこれを物語っている。
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それでは、自動車のデザイン・ポリシーを決定する要素はなにかといえば、まず第一が基本的な実用性能であり、これには次の三つの点が重要である。基本性能としての走りのよさ、経済性としての耐久性と信頼性、乗るための安全性と快適性、また、自動車は個人の所有物であるだけに、これらの基本性能を満足するだけでは不十分であり。商品性としては非実用的ともいえる次の諸条件がかなえられなければならない。所有欲を満足させる知的なスタイリング、操縦欲に応える優れた走行フィーリング。